人事の変化を読み解く。2015年vs2025年トレンド比較

人事領域では、数年単位でトレンドや注目キーワードが大きく変化しています。 
2025年現在、生成AIの台頭や人的資本経営の本格化といった新たな波に直面しています。 
現在のトレンドは、10年前と比較するとどのように変化しているでしょうか? 変化の本質を読み解くことで、流行ではなく戦略的な人事投資に繋がります。 今回は、2015年と2025年の人事トレンドを比較し、これから人事が向かっていく方向を探ります。 

2015年の人事トレンドを振り返る

2015年当時、日本はアベノミクスを掲げて景気回復を目指していた時期で、少子高齢化の加速、グローバル人材競争の激化などが人事の重要テーマとして取り上げられていました。 

特に、以下のようなワードが当時の人事界隈を賑わせていました。 

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

多様な人材を受け入れ、互いの違いを尊重し合う組織づくりを目指す考え方。 
2015年には女性活躍推進法の施行を契機に注目が高まりました。 

ワークライフバランス・働き方改革

仕事と生活の調和を図り、柔軟な働き方を推進する取り組み。
 過重労働や過労死問題が取り上げられ、労働時間管理の見直しが進みました。 

メンタルヘルス対策

心の健康を守ることが、企業のリスク管理と人材定着に影響。 
ストレスチェックや相談体制の整備が求められ、経営課題としての重要性が増大しました。 

2025年の人事トレンドワードとは

一方、2025年の現在。 人的資本経営の潮流、生成AIの登場、そしてコロナ禍を経た働き方のパラダイムシフト。 社会や働き方の変化とともに、人事に求められる役割も変わってきました。 

ジョブ型雇用・スキルベース人事

職務ベースの採用・配置・報酬が進み、社員のスキル可視化と活用がテーマに。 スキルや成果に応じた処遇が可能となり、専門性の高い人材確保にも有効。 従来の年功序列型からの転換が進む中、制度設計がカギを握るようになりました。 

ウェルビーイング・エンゲージメント

従業員の心身の健康や働きがいを重視する経営視点。 単なる労働環境改善から、心身・社会的健康のトータルケアへ。人的資本経営の中核として、継続的に注目されています。 

AI×人事(採用・育成・評価)

AI技術を活用し、人事業務の効率化と高度化に寄与。 採用マッチングやスキル分析など多様な場面で導入が進んでいます。 

10年で何が変わったか?

2015年、人事は“制度を整える役割”としての認識が強く、画一的なルールや評価制度の導入がトレンドでした。効率性や公平性を担保する仕組みづくりが主な関心事となっていました。 

一方で2025年は、テクノロジーによる様々な場面での個別最適化や、社員のキャリアや価値観に寄り添うことに注目が集まっています。

人事の変化

2015年の視点2025年の視点
制度・ルールの整備データや行動変容までを含めた運用 
一律の管理 一人ひとりに合わせた個別最適化 
評価中心の育成 キャリア自律・リスキリング支援 

まとめ

この10年で、人事の役割は大きく変わりました。 テクノロジーの進展、社会構造の変化、そして働く人々の価値観の多様化。 こうした複合的な要因により、データを活用した個別最適化や、キャリア自律・ウェルビーイングの支援といった、より高度で繊細な対応が求められる時代となりました。 

こうした変化の中で、現場で人事に携わる皆様は、日々多くの課題と向き合っていることと思います。 私たちも、皆さまの取り組みに少しでもお力添えできるよう、これからも情報発信や支援を続けてまいります。 ともに、より良い未来の人事をつくっていければ幸いです。 

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